立山歯科の技術顧問である香月武先生をご紹介致します。
香月先生は佐賀医科大学名誉教授であり、アジア、アフリカなどで難易度の高い歯科口腔治療の指導をされています。
立山歯科にて毎月行われている外科症例検討会にも参加していただき、患者様により良い治療を提供できるようにご指導いただいています。
香月先生がライフワークにされていることが発展途上国での口唇口蓋裂手術です。口唇裂とは唇の一部に裂け目が現れた状態で生まれてくる病気、口蓋裂とは口と鼻を隔てている上あごに亀裂が生じて生まれてくる病気のことです。先進国では幼い頃から計画的に治療を行えば成人する時には完治している病気なのですが、発展途上国ではなかなかそれがうまく行えない現状です。
香月先生はそれを憂い、アジアやアフリカでボランティアで治療を行っています。
その香月先生が8/14~8/19に海外へ教育活動に行かれました。以下、香月先生よりのレポートです。
横須賀ロータリークラブとフィリピン・セブ市のロータリークラブ共同の職業教育活動の一員として、2016年8月14日~8月19日セブ市の Adventist Hospital Cebu に口唇裂、口蓋裂の手術に行きました。
8月14日(日)成田空港に横浜からのグループと集まり、総勢9名で、フィリピン・セブに出発。8月15日(月)6:00起床、8:00病院へ出発、午前中30名の患者診察、午後は1つの手術室に2台の手術台を置いて、合計4例の手術を実施しました。8月16日(火)からは、朝4時半起床、6時朝食、7時ホテル出発病院に向い、8例の手術の終了が夜の8時でした。8月18日(金)までに合計25例の手術を行いました。麻酔医との連携がうまく取れなかったため手術場搬入から手術開始までの時間が長く、また次の手術までの間に長い時間を要したので、手術終了が夜になり疲労が倍加しました。しかし、麻酔中の事故や手術中の事故がなく多くの手術が完了したことは、高く評価すべきであると思います。唇裂に比べて口蓋裂の患者が多かったのですが、手術がやり易い唇裂は現地の医師が行い、やりにくい口蓋裂は手術を行わず内で放置されているのが現状と思われます。
セブ市では今回が最初の手術でしたが、セブロータリーの沢山のメンバーにサポートされて、空港の出迎え、ホテルの手配、ホテルから病院への往復、病院での昼食用意、病院での患者のケア、私達日本人に対する「おもてなし」などきめの細かい配慮がなされていました。これからの希望としては、現地ロータリー会員の今回のような積極的な気持ちを萎えさせないように保ちながら、次回からのセブ市での医療活動に向かって心と機材の準備を進めていきたいと思います。
全身麻酔の導入中
手術中
病室の2段ベットに収容された患者、家族たち
左:セブロータリークラブ会長 中:久保田歯科医師 右:香月教授
左:セブロータリークラブ会長 中:久保田歯科医師 右:香月教授
VTT責任者で日本をよく知るStephen氏
立山歯科の歯科医師も香月先生に同行し発展途上国での口唇口蓋裂治療に携わっています。(今回は不参加ですが) ボランティアに行った先生達は皆「とてもやり甲斐のある仕事だった」という感想を持って帰ってきます。立山歯科は医院近郊の地域貢献はもちろんですが、世界規模でも貢献を行えるように日々努力しております。