【口腔ケアの目的】
口腔ケアは、口腔内を清潔にすることで、虫歯や歯周病予防だけでなく
患者さんの心身の健康をサポートすることを目的に行われます。
口腔ケアには、「器質的口腔ケア」と「機能的口腔ケア」の2つに分けられます。
【器質的口腔ケア】
清拭によって口腔内の細菌数を減少させ、清潔な状態に保つ方法です。
歯ブラシやスポンジブラシなど、さまざまなケア用品を使用して
食べ残しや歯垢(プラーク)を除去し、歯(義歯)・粘膜・舌を清掃します。
器質的口腔ケアの部位とケア用品
【機能的口腔ケア】
口腔には、摂食、嚥下、呼吸、発話などさまざまな機能があります。
機能的口腔ケアとは、これら口腔機能の低下に対してアプローチする方法です。
障害されている機能を見極め、適切なアプローチを行うことが大切です。
機能的口腔ケアの種類と目的
【口腔ケアの効果】
器質的口腔ケアでは、感染予防の効果が期待できます。
たとえば、認知症や寝たきりの患者さんは口腔内の清潔が保たれにくく、
歯の表面を細菌の塊であるバイオフィルムが覆ってしまいます。
このバイオフィルムは歯周病や誤嚥性肺炎の原因とされていますが、
器質的口腔ケアでバイオフィルムを除去することで、これらの疾患の
発症リスクが下げられるのです。
また、機能的口腔ケアは唾液の分泌や話す・食べる・飲み込むといった
口腔機能の維持・向上の効果が期待できます。
≪歯ブラシ・スポンジブラシの種類≫
歯の清掃に使う歯ブラシは、患者さんの状態に応じて、
毛の硬さやヘッドの大きさなどを選びます。
口の奥や粘膜の清掃が行える球状ブラシ、残存歯が少ない場合に有効なワンタフトブラシ、
舌苔除去のための舌ブラシなどもあります。歯間の清掃にフロスも便利です。
出血傾向にある患者さんのケアや口腔内粘膜のケアには、スポンジブラシが適しています。
ヘッドがさまざまなサイズのものが出ており、ケアの部位に合わせて選ぶことができます。
嚥下機能が低下している患者さんには、口腔ケア中の唾液や洗浄水を誤嚥しないよう
吸引器付きブラシやスポンジが便利です。
口腔ケア用ブラシの種類
上記のように患者さんのその人らしい生活を支えるためには、
この「器質的口腔ケア」と「機能的口腔ケア」のいずれも行ってはじめて、
口腔ケアの実施とすることが大切です。
当医院でも、そのお手伝いが出来ればと思いますのでお気軽にご相談ください。
筑後医院 平松