8月13日は月に1回開催されている口腔外科症例検討会でした。
佐賀医科大学口腔外科名誉教授の香月武先生にアドバイザーとして
参加頂いております。
今日は3名の先生方が症例発表し、口腔外科に関するディスカッションが
行われました。
(1)鳥越先生(小郡医院所属)
遺伝的な原因で起こる極めて稀な病気を持った患者様症例でした。この病気を持った方は、出血が治まりにくいという体質があります。ご本人やご家族が把握していなかった病気を、乳歯の抜歯を行い久留米大学病院内科と連携することで発見することが出来ました。
(2)野村先生(筑後医院所属)
左下奥の永久歯が生まれつきない患者様に行ったインプラント治療の発表でした。インプラント治療をするにあたり、その部分だけでなく口の中全体の状況を把握し治療計画の立案をすることの重要性を学びました。
(3)貞刈(クリニック所属)
上あごに歯根嚢胞という膿のたまる袋を持った患者様に対して、外科処置を行い長期的な経過を追った症例の発表でした。袋は縮小し骨に置き換わってきており、状態は良好かと思われます。
さらに、上あごの骨の中の上顎洞という空洞にできた唾液の袋を持った患者様に対して先月行った外科処置の経過報告も行いました。
(4)柴原先生(非常勤歯科医師)
現在、多くの歯科医院で導入されている歯科用CTについての有用性や、CTを用いた診断を行う際に気をつけるポイントなどを、実際の口の中の状況を想定してレッスンして頂きました。
最後に佐賀医科大学名誉教授である香月武先生より、フィリピンの恵まれない子供たちへボランティアで行なった口唇口蓋裂という障害に対する口腔外科手術の報告がありました。子供たちに対する医療のみならず、フィリピンの歯科医師の教育という面でもとても偉大な活動だと実感しました。
今回は稀有な症例についていろいろ学びました。臨床歯科医師としては一生に一度体験するかどうかという症例でしたが、当法人の外科症例検討会によって全員が情報を共有できることはとても有益な事だと思いました。いつか自分が同じ経験することがあれば、今回の症例発表の内容が必ず役に立つと思います。
立山歯科筑後医院:末続